物流機器メーカーの選び方と特注オーダーの重要性

自社の業務と製品ラインナップの適合性

メーカーによっては、保管機器や搬送装置など特定の領域を中心に扱う場合があります。自社が倉庫管理を重視しているならラックやパレットに強いところ、工場内の自動化が課題なら搬送システムを得意とするところが候補となるでしょう。

荷物の種類や作業内容を明確にし、それをカバーしている製品やサービスがあるかどうかを確認すると導入がスムーズに進みやすくなります。

過去事例のチェック

メーカーのカタログ情報だけでは分かりにくい点も多いため、実際の利用例や導入事例をご覧いただくのも有効な方法です。特に、同じ業種や規模の事例を知ることで、製品の耐久性や導入後の効果を具体的にイメージしやすくなります。

直接ご相談いただくことで、導入時のポイントや注意事項についても詳しくお伝えできますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

製品コストと運用メリットのバランス

イニシャルコスト（初期費用）だけでなく、長期運用における作業効率の向上や故障リスク低減など、トータルコストを考えることが重要です。標準モデルであっても、安価かつ十分な性能を備えているなら、現場の運用にとって最良の選択となる場合があります。

一方、少し高額でも安全対策や作業負担の軽減に大きく寄与するなら、結果的にコスト削減につながるかもしれません。

オーダーや特注対応の柔軟さ

既製品では対応しきれない独自のニーズがある場合、オーダーメイドや特注対応が重要な選択肢となります。例えば、特殊サイズのラックや重量物専用のパレットなど、標準仕様では対応が難しいケースもあります。

そのため、最初の打ち合わせの段階で、ご希望の仕様にカスタマイズできるかどうかを確認し、最適な設計について相談することをおすすめします。

パレットやラックなどの保管系

もっとも基本的な物流機器の一つが、保管用のパレットやラックです。サイズや材質、耐荷重など仕様を誤ると、荷崩れや倉庫スペースの非効率な使用につながります。ラックには固定式や移動式、パレットラックなどさまざまな種類があるため、在庫回転率や製品形状を踏まえて適切なタイプを選ぶ必要があります。

コンベヤやリフターなどの搬送系

製造ラインや倉庫内の移動時間を短縮するなら、コンベヤやリフターの導入が効果的です。荷物の重量やサイズに応じ、ローラーコンベヤやベルトコンベヤを選択するとよいでしょう。リフターを使えば、高低差のある作業を無理なく行い、作業者の負担を軽減できるメリットがあります。

包装・流通加工向け機器

包装や荷崩れ防止を自動化するために、ストレッチフィルム巻き機や自動梱包機などを活用する手段があります。梱包材やラベル貼りの自動化によって、人手作業の負担が減少し、ピッキングミスや破損リスクを下げる効果が期待できます。

なお、コンベヤやリフター、自動梱包機などの電動機器については、株式会社ダイパレの製品ラインナップには含まれておりませんが、物流改善の一例としてご紹介しています。

自社専用設計で課題を解消

特殊サイズのラックや、標準モデルより高い耐荷重を持たせたパレットなどをオーダーすれば、在庫管理や荷崩れ対策を徹底しやすくなります。既製品でカバーしきれない要望を実現することで、倉庫・工場のレイアウトを最適化し、作業効率を上げる効果が期待できます。

現場のリスクや作業負担を抑えるうえでも、専用設計のメリットは大きいです。

導入事例や技術ノウハウの蓄積

特注品を数多く扱ってきたメーカーは、さまざまな現場状況やトラブルを経験している可能性が高いです。そのため、類似ケースに対する設計ノウハウや、運用上の注意点を共有してもらいやすいというメリットがあります。設計段階で不具合やリスクを未然に防ぎ、スケジュールどおりの納品が期待できるでしょう。

コストと投資効果

特注品は量産品に比べてイニシャルコストが高くなることがあります。しかし、自社の物流業務にフィットした機器を導入すれば、作業工数の削減や事故リスクの低減、製品破損の減少など長期的なコストメリットが得られる可能性があります。

導入前に投資効果を概算する際は、単なる購入費用だけでなく、稼働後の効率化による削減分も試算してみることがおすすめです。

特注品をオーダーする際は、メーカーとこまめに連絡を取り合い、要望や懸念事項を細かく伝えてください。コミュニケーションが行き届いていないと、設計ミスや追加修正の発生など、納期やコストに影響が及ぶリスクがあります。丁寧な準備と密なやり取りを重ねることで、より高い品質の製品をスムーズに導入し、安定した運用につなげられます。